インタビュー
生活と仕事に直結する「生きた学び」を通じて、より良く生きる道を考える
人間社会研究科 人間学専攻
2024年4月入学
月川 涼子さん Ryoko Tsukikawa
人材コーディネーターやキャリアコンサルタント、女性相談員として多様な対人支援業務に従事。現場でのバーンアウト(燃え尽き症候群)や家族の他界を機に、「人間そのもの」や「生と死」について学びたいと大学院進学を決意。現在は仕事や家庭と両立しながら、通信教育課程で学びを深めている。
10年越しの決意。家族の死と相談現場での葛藤が背中を押した
相談員として働き始めた約10年前から、大学院での学びが視野に入っていました。当時は子どもがまだ小学1年生だったこともあり、夜間通学のハードルが高く断念せざるを得ませんでした。その後も時折情報を検索しつつ行動には移せずにいましたが、転機となったのは2022年。相談現場でのバーンアウトを経験し、「相談員が疲弊せずに働き続けるためには何が必要なのだろうか」という強い問題意識が芽生えたのです。
さらに翌年、父親が他界。生と死に向き合い、深い喪失感を実感する中で「人間は何故生き、そして死ぬのだろう」という問いが自分の中で繰り返されるようになりました。「この問いへの答えを出せるのは、学びではないだろうか」「後悔しない選択をしたい」——そう思い至り、人間そのものや生と死、喪失について幅広く学べる武蔵野大学への出願を決意しました。通信教育課程であれば卒業までの時間的な猶予があり、自分のペースで家庭や子育て、仕事との両立ができると考えたことも大きな決め手でした。
孤立させない工夫と、生活・仕事に直接作用する「生きた学び」

入学してまず感じたのは、大学時代の学びとは違う「深さ」と「広さ」です。一方的に聴講するのではなく、ディスカッションでアウトプットすることで視野が広がり、レポートで自分の考えをまとめることで、より思考が深まっていくのを実感しています。個性豊かな先生方の授業はどれも、次が楽しみになるような工夫が満載です。
社会人の通信学修は学友と顔を合わせる機会が限られますが、その分、自分から積極的に交流しようとする姿勢がモチベーションの維持に直結します。私自身、入学直後のスクーリングで知り合った学友たちとグループLINEを作り、今でも情報交換をしたり励まし合ったりしています。有明キャンパスのおしゃれな「ロハスカフェ」でおいしいメニューを楽しんだことも、良い思い出です。大人になってからの利害関係のないつながりは、私にとって一番の財産になっています。
そして、社会人が大学院で学ぶ最大の醍醐味は、学びが生活や仕事に直接作用すること。生活での実践と大学院での学びを行き来することで知識が定着し、「より良く生きるために何ができるか」を考えられるようになりました。
客観的な視点を手に入れ、「どう生きたいか」を問い続ける
講義を受け、レポート作成を繰り返すなかで、主観だけでなく客観的な視点で物事を考え、調べ、まとめる力が身につきました。自分を取り巻く社会とのつながりや、相互に与えあう影響を意識するようになり、物事を俯瞰して観るくせがついたことは大きな成長です。
授業では、特に「人間学特講」と「死生学特講」が印象に残っています。「人間学特講」はこれまでで一番難しく、悩みながら自分の中で問いを立て続けた授業でしたが、ここで学んだ因果関係の視点は今でも生活の中で活かされています。「死生学特講」は、人生の後半に差し掛かった今だからこそ身近に感じられた学問です。「命の選択」について考えることで、自分がどう死にたいか以上に、「どう生きたいか」を深く考えるきっかけになりました。
現在は特定課題研究として、「DV・虐待相談員のワークエンゲージメントー相談員との相互作用に着目してー」をテーマに掲げています。淺野先生にご指導いただく「メンタルヘルス特論」での学びともリンクしており、かつて自分が現場で抱いた問題意識の答えを、学術的な視点から探究し続けています。
これから入学を目指す方へ

学びに早い遅いはありません。「学びたい」と思ったその時が、あなたにとってのベストなタイミングです。
もちろん、仕事や生活、子育てと学びの両立は大変なこともあります。しかし、多様な人生を歩んできた仲間や、とても個性豊かで魅力的な先生方との出会いは、間違いなく人生をより豊かにしてくれます。迷っているなら、ぜひ一歩を踏み出してみてください。ここで得られる「生きた学び」は、あなたのこれからの人生を力強く支えてくれるはずです。

