インタビュー
現代社会での人間の存在について改めて深く考えたい

人間社会研究科 人間学専攻
2025年3月修了
鈴木 正人さん Masahito Suzuki
市役所で長年に渡り社会福祉職に従事。定年後、「人間そのもの」や「現代社会での人間の存在」について改めて深く考えたいという思いから、大学院進学を決意する。2025年4月からは研究生として学びを深めている。
通信制大学院で広がる学びと出会い

実際に入学してみて、最初に感じたのは「大学院の学びは記憶力の競争じゃない!」ということ。考えること、問い続けることが本当に大切なのだと毎日実感しています。先生方からの熱意あるコメントや指導が学びへのモチベーションになりますし、院生同士の討論や雑談も刺激的です。通信制という特性上、自分のペースで仕事や生活と両立できる一方、ときには孤独を感じそうになることもあります。しかし、スクーリングや勉強会、仲間とのメールのやり取りが大きな支えになっています。スクーリングや公開講座で出会った仲間たちが、課題や論文で行き詰まったとき、何度も励まし応援してくれました。大学併設のカフェで一緒にご飯を食べたり、時にはレポートの推敲をお願いしたり。こうした温かな交流は、社会人になってからではなかなか得難いものです。
「知らない自分」に出会いつづける日々
大学院で学ぶうちに、いかに自分は知らないことが多かったのか、いかに表面だけを理解して生きてきたのかを何度も痛感させられました。ここは「知識を受け取る場所」ではなく、「問い続ける場所」なんです。自分の常識や当たり前を問い直し、自分なりに考えてみること、その積み重ねこそが最大の収穫でした。結果として、物事の見方が変わり、きちんと「自分で問い続ける姿勢」が身についたように思います。「未熟なまま歩み続けること」こそが本当の学びだと、今ははっきり言えます。
授業・研究テーマの多様さと先生方のサポート

1年次は人間学の基礎となる必須科目で土台を固め、2年次は仏教・思想系や倫理学・比較宗教など、自分が関心のある分野を深く学べました。なかでも印象に残っているのは「仏教文化特講」の仏教美術。スライド中心の授業で、今まで知らなかった仏教美術の奥深さに触れることができました。特定課題研究演習では「死生観に関する歴史的・比較文化的考察」をテーマに、古代インドの死生観について調べ上げ、論文を仕上げました。「研究といってもどこから手をつければいいのだろう」と最初は戸惑いましたが、先生方の親身な指導のおかげで、最終的には製本までたどり着いたときの達成感は大きかったです。
これから入学を目指す方へ

迷ったら、思い切って一歩を踏み出してみてほしいですね。通信制大学院は自分のライフスタイルに合わせて柔軟に学べますが、その分「自分から学びに行く」姿勢が問われます。でも、人間や社会について幅広く深く考えたい方、問い続けることが好きな方には本当におすすめできます。人との出会いや、多様な価値観との出会い、先生方の温かなサポート、年齢やキャリアに関係なく挑戦できる環境がここにはあります。私にとって、”本気で学びに向き合う時間”を持てたのは何物にも代えがたい財産になりました。
【特別対談コラム】
これからの人生をどう生きるのか。武蔵野大学大学院人間学専攻で追求した自分なりの気づき