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学部・大学院

インタビュー

心に触れる現場から、心理学の基礎を学びたい

人間科学科 心理学専攻
2025年3月卒業

蒲生 恵理さん Eri Gamo

心理学専攻に4年次編入し、2025年3月に卒業。2025年4月からは科目等履修生として学びを深めている。 出版社勤務を経て、現在フリーランスのライターとして取材活動に携わる。主なテーマはパラリンピックなどの障害者スポーツ。1998年長野大会から夏冬のパラリンピック取材を継続中。 主な著書に『心眼で射止めた金メダル』(新潮社)『みんなちがって、それでいい』(ポプラ社 )『希望をくれた人』(協同医書出版社)(著者名:宮崎恵理)

【心の基礎を求めて】障害者スポーツ取材と相談員の経験が進学へ

障害者スポーツの取材活動に携わる中、選手たちのメンタルがどれほど競技に影響するかを目の当たりにしてきました。また、先天性であれ、人生の途中であれ障害を持つことによって、心に大きな影響があることも事実です。こうした中で、心理学に関心を抱きました。さらに、2021年よりチャットによる心の相談サイトのボランティア相談員となりました。しっかりした研修システムで学ぶ中、きちんと心理学の基礎を学びたいという思いが芽生え、武蔵野大学通信教育部への進学を決めました。

最短1年で卒業できたのに、あえて3年かけた理由

心理学専攻に4年次編入で進学した当初(2021年度)は、まだ新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、スクーリングはメディア授業が中心でした。自分の時間配分に合わせて学修を進めることのメリットがありましたが、例えば心理学実験実習のスクーリングにおいては、非常に難しさも感じました。その後、スクーリング科目を受講し集中してキャンパスに通学したことは、とても大きな学びにつながりましたし、喜びでもありました。 一方、独自の通信教育システムを使ってテストやレポート提出することも、自分なりの時間配分を考慮しながら進めることができ、通信制である長所を非常に感じられるものでした。
4年次編入でしたから、必要な科目、単位数を取得すれば最短1年間で卒業できるわけですが、むしろ、学びを進めるほどに学びたいことが増えていき、計画的に留年することを選択し、3年かけて卒業しました。 心理学としての基礎を築きたいという思いから、スタンダード心理学を中心に学び、卒業時に認定心理士の資格を取得いたしました。

【認定心理士が切り開く】心理学から広がる学びの視点

やはり、スクーリングで直接受講できた科目は、とても記憶に定着しているように感じます。産業組織心理学、行動療法、カウンセリング論、犯罪心理学はとても興味深く学ぶことができました。一方で、スクーリング科目ではありませんでしたが、社会心理学、学習心理学も日常的な経験に直結する内容が多く、また横断的に学修を進める基礎にもなったと感じています。
レポートの書き方や心理測定法を学ぶ過程で、論文をどう読みこなすかというスキルが身についたように感じています。学ぶほどに、大学での科目は心理学を理解するためのベースであるとの思いが強くなりました。ここから、どう自分なりに学びを深く掘り下げていくのか。やっと、その入り口に立ったような気がしています。心理学の基礎を学んだことで、世界の宗教や社会学、死生学、環境デザインといった分野にも興味を抱くようになりました。できる限り、学びを継続させていきたいと思っています。

【仕事で活きる知恵】「言葉を待つ」重要性と心理学の力

科目はそれぞれが独立しているものではなく、横断的に深く関わり合っていくものであることを感じています。仕事であらゆる人に話を伺う機会は多いですが、「これはあの時学んだことだ」「これはまさに心理学に基づくものだ」など、全く心理学とは関係ないような場面で、結びつく経験がたびたびあります。仕事上、かなり短時間で相手の話を聞かなくてはいけないことが多々ありますが、「言葉を待つことの重要性」も、心理学を学んだ中で身に染みて感じていることの一つです。

学びは単位がゴールではない ~社会人の「知的好奇心」とは~

かつて高校卒業後に進学した大学で文学を学んでいた若かった自分は、今と同じ気持ちで学修に取り組んでいたのだろうか。社会人となり、「学びたい」という衝動から学び始めたことの充実感はとても大きいものです。スクーリングで出会う方々は、さまざまな職業や意欲を持って学修に取り組まれています。仕事や日常生活では出会わなかったかもしれない学ぶ仲間との出会いも、大きな刺激を与えてくれました。単位を習得することだけが目標ではありません。後になって「あの時学んだ…」と、学びの知識や情報がふと湧き上がってくる瞬間こそ、人生の大きな喜びにつながっています。

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