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学部・大学院

インタビュー

仕事に直結する学び。死と宗教のつながりを学ぶ。

仏教学研究科 仏教学専攻
2019年3月修了

大野 真実さん Mami Ohno

仏教学研究科仏教学専攻を2019年3月に修了後、同年4月に武蔵野大学大学院の通学課程の仏教学研究科博士後期課程に進学。医療関係の仕事を続けながら学び深め、2024年3月に仏教学博士号を取得。

大学院進学のきっかけ

私が仏教学を学ぶことを決めたきっかけは、日本人が死を身近に感じるようになったとき、宗教が成せることがもっとあるのではないかと感じたことでした。そんな中、武蔵野大学大学院通信教育部を知り、通信制で仏教学が学べるということからチャレンジしてみました。私の祖父は浄土真宗の僧侶だったので、仏教への抵抗は全くありませんでした。ただ、大学での基礎知識もなくいきなり大学院に進学したので、最初はレポートの書き方も分からず、先生方にはご迷惑をおかけしたと思います。しかし、どの先生も本当に丁寧に指導してくださり、スクーリングではいつも新しいことを知る楽しさでいっぱいでした。有明キャンパスまで通うのが毎回楽しみでした。

通信制だから叶った仕事との両立

大学院で学んでいた当時はコロナ禍前でしたので、オンライン授業はありませんでした。テキストを読み、文献を探し、レポートを作成、そして先生方からメール等で指導を受け、夜間や連休・夏期等にはスクーリングに通う、という学び方でした。テキストを理解してレポートを書くのは本当に大変で、初年度は1年で単位修得しきれない科目もありました。
仕事は医療関係なのですが、待機時間などもあるので、職場にもパソコンと資料を持ち込み、隙間時間でレポート作成を進めるように工夫していました。夜間のスクーリングはとても楽しかったのですが、仕事が終わってから有明キャンパスで授業を受けると、帰宅が深夜になることもあり、正直大変だったこともあります。一方で、夏期の集中スクーリングでは、他科の学生と合同で学ぶ機会があり、皆さんの様々な視点を知ることができました。社会人でありながら、学生気分を満喫していました。

仏教学は「人間学」 ~講義と研究から得た深遠な視点~

仏教学は、「人間学」であり、「哲学」でもあり、ただ知識を詰め込むものではないと、学んでいく中で強く感じました。先生方の講義を受け、ご著書やテキストを読ませていただくと、その思想の深さに驚かされるばかりでした。ここまで深く人間と生き方を考えておられる素晴らしい先生方の講義を、少人数で受けられること自体、本当に贅沢なことだと思います。当初は「何かの役に立つことを学ぶ」というスタンスで大学院に進学しましたが、やがて「知るために学び、知ることで考え、なにかが変わる」という面白さを感じられるようになりました。

研究が培った自分の変化

修士課程での特定課題研究では、「臨終行儀」という仏教の看取りの儀式についてまとめました。近世まで宗教者が担っていた看取りの役割を、現代では医療者が担っていることに関心を持ったのです。臨終行儀では、臨終を迎える人が浄土に往生するという大きな目的があり、来世が疑いなく想定されています。このような来世観をもう少し深く知りたくて、私は博士後期課程に進学しました。
博士後期課程では、当初は往生伝をまとめようと思っていたのですが、江戸時代の臨死体験と思しき物語に出会い、その物語を中心に研究を進めることになりました。結果的に、近世日本の死生観や来世観、真宗思想や教化上の問題まで、自然と研究が広がっていきました。当時の人々のリアルな来世観や宗教観が、実は現代人とほぼ同じであることや、人々の中から来世の存在感が希薄になっていくことに宗教者が危機感を感じていたこと、そしてその問題が現代までつながっていること知ることができました。

これから学ぶあなたへ ~「ワクワク」が拓く知の世界~

修了後も、近世の人々の真宗とのかかわりを調べていきたいと考えています。一般的に、科学研究は人間を幸福にするため、pragmatical(実用的)な意図を持つことが多いですが、仏教学研究のような思想研究は、必ずしも実用性にこだわらず、「知ることを楽しみながら、自分自身を見つめて深める」という意図で行うのも良いと思います。大事なのは、それが役に立つか立たないかではなく、「楽しいか、ワクワクするか」どうかです。そうすることで、「ああ、そうだったんだな」という爽快感を感じることができ、自分自身のパラダイムシフトが得られるのではないでしょうか。学びの面白さを追求することが、きっとあなたの人生を豊かにしてくれるはずです。ぜひ、挑戦を迷われている方も、一歩踏み出してみてください。

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